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2014年 10月 16日
(天使大学学生相談室ニュース 2014年9月号より)
今年の夏は本当に暑かったですね。9月に入ってからも、残暑が続いています。季節の変わり目、体調を崩しやすい時期です。休息や睡眠時間を意識的にたくさん取って過ごすようにできるといいですね。 褒められることの大切さ さて、最近の大きなニュースのひとつは、何と言ってもテニスの錦織圭選手の全米オープン準優勝でしたね。グランドスラムで決勝に残ったのは、日本人選手としては初の快挙だったそうです。 試合後、インターネットにあふれていた錦織選手に関する情報を読んでいて、ひとつなるほどと思ったことがありましたので、ここで皆さんとシェアしたいと思います。 いろいろな意見の中に、「彼があそこまで活躍できたのは、若いうちに渡米したせいだ」という説がありました。 彼が13歳で留学したフロリダのテニスアカデミーは、マリア・シャラポワやウィリアムズ姉妹、アンドレ・アガシなど、超一流選手が世界中から集まるところで、 50面以上あるテニスコートにはすべて監視カメラが設置され、自分の練習映像を繰り返し見ることができたり、最新の筋トレマシーンがあったり、食事環境抜群の寮があったりと、設備面での充実もさることながら、 そこを取材したアナウンサーの方によると、そのアカデミーの創設者の名テニスコーチの育成方針が「徹底的に褒めること」なんだそうです。 コーチいわく、「僕は褒めることしかほぼしないよ。スタイルなんてものは人それぞれ違う。自由に楽しんでやれればそれでいいのさ」 そして、そのアナウンサーが実際に彼からテニスをコーチしてもらったときには、30分間で少なくとも20回は褒めてもらったとのこと。 このエピソードを読んで、私は自分自身の米国での体験を思い出しました。 人は褒められ、認められると力を発揮できる 私は30を過ぎてから渡米し、カリフォルニアの大学院で心理学を学んだのですが、 その時には本当に、さまざまな先生から、とてもたくさん褒めていただきました。 大学院ではいろいろなクラスで毎週レポートを提出しなければならず、英語が母語ではない私のレポートはもちろん非常に不完全なものだったと思うのですが、 どの先生も「素晴らしい!」「良く書けている!」「感動しました」などと、必ず一言メッセージを添えて返却してくれたし、クラスで発言したときも、必ず「それは良い視点ですね」などの褒め言葉をもらいました。 インターンとして実習を始めた時も、もちろん駆け出しなのでたくさん失敗もしたのですが、 当時のスーパーバイザーは、いつも、私が自分で気づけずにいた私の良いところを探し出してくれて、たくさん褒めてくれました。 そのような環境の中で過ごして、私は、「人間、いくつになっても、褒められるってこんなにうれしいものなんだ!」ということを実感しました。そしてたくさん褒めてもらったおかげで、セラピストとして何とか自分もやっていけるだろうという自信を持つことができました。 今でも私がこの仕事を続けていられるのは、そのおかげだと思っています。 人から褒められ、認めてもらうと、自分の中に「次も頑張ろう!」というエネルギーが自然に沸いてくるし、自分自身を認めることも楽にできるようになります。 そして、自分を認めることができると、自己肯定感が強まるので、他の人を認めることもできるようになり、人間関係が楽になる・・・という、好循環が起こってきます。 あなたは、あなたのままでいい どんなにその人に良いところがあっても、何か欠点があれば、それを指摘し矯正することが教育だと思っている教育者や親は多いかもしれません。 でもそれは、心理学的に言っても、かなり効率の悪いやり方なのです。 自分の中に何かつらい部分があると、どうしてもそちらにばかり目がいってしまい、 「これさえ何とかすれば、自分は楽になるのに」と考えてしまいがちですが、実は、そういうやり方は、たいへん遠回りです。 それよりは、「今の自分の中で、すでにうまくいっていること」「自分がすでに持っている、強さや長所」を探して、それを深めて伸ばしていくことに集中すると、 つらくて苦しい場所の割合が相対的に少なくなったり、その苦しさがひとりでに解消したりして、早く自然に楽になれることが多いのです。 なので、精神衛生的には、自分の良いところを認めて、たくさん褒めてくれる人が身近にいる環境に身を置くのが一番いいですね。 そういう人がいないという方は、あえて探してまでも、褒めてもらうことをおすすめします。 「この先生は好きだけど、私の担当じゃないし・・・」「あの子とは同じクラスじゃないし・・・」などと思わず、自分のことを褒めてくれそうな先生や友人がいたら、どんどん自分から近づいていってみましょう。そして、褒め言葉を要求してみましょう。 あなたはいつだって、あなたのままでいいのです。そのままで完璧なのです。 それ以外のことを言う人の言葉は、信じなくても大丈夫です。 もし、自分を褒めてくれる人がまったく見つからなかったら・・・。 大丈夫です。その時は、自分で自分を褒めてみましょう。 どんな小さなことでもいいのです。「今日は遅刻しなかった」とか、「友達に笑顔であいさつできた」とか、「夜寝る前にちゃんと歯を磨いた」とか。 インターネットで検索したら、こんなページもありました。 このページには、自分を褒めるためのヒントがたくさん書かれていますので、よかったらどうぞのぞいてみてくださいね。 毎日、少なくともひとつ、 自分をほめてみましょう。
by premacolumn
| 2014-10-16 22:54
| つれづれ
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